直感的なUIで調査と分析の両輪を効率的に運用
株式会社はくばく
市場戦略本部 開発部 部長
金子真吾 様
会社HP https://www.hakubaku.co.jp/
◆貴社の事業内容について教えてください
当社は、穀物を扱うメーカーで「主食」に特化した企業という点が特徴です。私たちは「The Kokumotsu Company」というスローガンの下、穀物を原料とし、企業理念である「穀物の感動的価値を創造し、人々の健康と豊かな食生活を実現する」を体現しています。
私たちの商品は主に2つのルートで流通しています。ひとつは、市販用といわれる、国内スーパー量販店・国内米穀店のルートであり、もうひとつは、ファミリーレストランや学校給食をはじめとした業務用のルートです。さらに海外やWEB通販までにも展開しています。どのルートにおいても、私たちは「主食」というカテゴリーに重点を置き、それを強みとしています。
◆知財への取り組み体制について
以前の当社は、素材メーカーとして穀物を基本レベルで加工することが主な事業で、技術的な創造性や高度な知財の必要性はそれほど感じられていませんでした。
しかし、2019年頃から方針を転換し、レトルトなどのウェット商品やそのまま食べられる商品の開発に力を入れるようになりました。レトルト類の市場では大手企業と競合することが多くなりますので、知財の強化が不可欠となりました。
現在、専任の知財担当者はおらず、私と部下の2名体制で、普段の業務を行いつつ、兼任で知財業務をこなしています。
◆Patentfieldを導入した背景
私は知的財産アナリストの資格を持っていますが、実際の特許調査に関する経験や知識は十分ではありませんでした。知的財産アナリストの取得過程で、特許調査の重要性に気づき、さまざまな調査ソフトウェアを試用しましたが、多くのソフトウェアが使いにくく、直感的でないことにフラストレーションを感じました。
Patentfieldに出会ったとき、そのユーザーインターフェース(UI)の使いやすさがとても魅力的でした。前述のとおり特許調査の必要性が高まっていたので、Patentfieldの直感的なUIは、現場の開発者が特許調査を実施するときの心理的ハードルを下げてくれるのに役立つと感じて導入しました。
トップ画面にメインの検索・分析機能が集約され、直感的な操作が可能
◆どういった業務シーンでPatentfieldを使っていますか
製品発売前の侵害予防調査と、技術動向の調査に活用しています。
当社では、製品開発を行う担当者が調査を行います。侵害予防調査では、市場状況を分析し、競合する可能性のある他社の企業名やキーワードで検索を行い、初期のスクリーニングを実施します。何か気になる点があれば、より詳細な調査を私が行い、重要な案件については外部の専門家を活用して進めています。
技術動向調査においても、基本的には出願人検索とキーワード検索を使用します。担当者に対しては、教育や啓蒙を兼ねているため、細かい分析を求めておらず、概要レベルの情報収集に留めて実施してもらっています。
◆Patentfield導入によって感じている効果を教えてください
毎月、SDI検索を実施し、その結果を社内で共有しています。この取り組みは長年続けており、開発部のメンバーが、月に1回SDIの結果を要約して、社内に情報を発信する運用にしています。
Patentfieldの導入によって、検索の心理的ハードルが下がり、作業がしやすくなったと感じています。また、半年に1回、マップ化を行い、その期間に収集された特許をビジュアル化しています。このマップ化により、どの企業がどのような特許を出しているかが一目で分かるようになりました。
このビジュアルによるアウトプットは、SDIの価値を視覚的に示すもので、競合他社の動向をより明確に理解するのに役立っています。また、社内の掲示板でこれらの情報を共有し、部門内のみならず、部門外のスタッフからの「いいね」のようなフィードバックも増えています。
◆Patentfieldでよく利用している機能を教えてください
さきほどお話したように、マップ作成機能はよく利用しています。
次に、出願人検索も頻繁に使用しています。出願人検索することで、現場担当者の検索式を考える手間が省け、調査プロセスが効率的に進むためです。
さらに、関連特許・関連順の機能もよく使います。これらの機能を利用することで、関連性の高い特許を迅速に見つけ出し、類似する特許を効果的に探索できます。
これらの機能は、知財の専門家がいない限られたリソースの中で、重要な情報を効率的に収集するために不可欠です。
※関連特許・関連順の機能については、こちらのヘルプを参照ください。
◆今後どのような業務でPatentfieldの活用を広げていきたいですか
今後は、競合の動向調査の比率を高めたいと考えています。開発部門では、技術市場に対する興味や好奇心が自然と強くなりますが、マーケットに出ていく際の競合他社に関する視点が比較的弱い傾向にあります。そのため、他社の動向をより深く理解するために、競合他社の動向調査を強化することが重要です。
また、特許文献や技術情報を活用することも重要だと思っています。特許情報を利用することで、他の企業の技術を学び、権利の消滅した技術を効率的に取り入れることができます。このようなアプローチにより、先人の知恵を活用した開発を進めることが可能になります。
加えて、現在は侵害予防のために特許調査を行っていますが、今後はより攻めの姿勢で特許情報を活用し、新しい技術の開発や事業の展開に役立てたいと思います。
取材日:2023/10/27